未解決事件『泉南郡熊取町小4女児誘拐事件』とは

泉南郡熊取町小4女児誘拐事件は、大阪府で発生した未成年の失踪事件でしたが、その後捜査は誘拐事件に切り替えられ、大規模な捜査が行われました。

しかし、現在も消えた女児の行方はわからず、誘拐犯の逮捕にも至っていません。

事件発生時の状況

事件が発生したのは2003年5月20日。
大阪府泉南郡熊取町に住む小学4年生の女児（当時9歳）は、社会見学を終え、同級生三名と共に家路につきました。

その後、自宅から560メートル離れた交差点付近で同級生達と別れ、別の同級生が一人で家の方に歩いている女児の姿を目撃したのを最後に、まるで煙の様に姿を消してしまいました。

また、いつも自宅近くにあったバス停の前を通過して家に帰っていましたが、同時刻にバス停に停車していたバスの運転手や乗客はは、この女児がバスの前を通る所を目撃していませんでした。

捜索活動

夕方の18時半頃になり、女児が帰宅しないことを不審に思った家族が女学校に連絡。同時に警察にも捜索届けが出され、地元警察と周辺住民による捜索活動が行われたものの、女児の発見には至りませんでした。

その後、警察の周辺への聞き込みによって、事件当日には付近で奇妙な車が4台目撃されていたことがわかりました。

またさらに、2014年11月に新たな目撃証言が出てきました。

その車、赤系のスポーツカー、白系のバンと白色の乗用車（この3台は現場周辺に駐車されていたとされる）、また、黒系統のセダンは女児が姿を消す前にも周辺地域で5回は目撃された事が確認されており、誘拐目的で周辺を走行していた可能性があるとされている他、女児の消えた15時頃には、彼女の自宅前を高速で走り去る姿が周辺住民によって目撃されています。

また、2014年11月には、新たに白色の不審な乗用車を見たという目撃証言が出されており、大阪府県警が捜査を継続しています。

失踪事件前に起きた事件

女児の失踪前から2カ月前の2003年3月、同じ熊取町内で小学6年生の女児が、下校途中に見知らぬ男性に声を掛けられ、そのまま車内に連れ込まれそうになるという事件が起きています。

この事件で誘拐未遂を働いた男性と、女児誘拐の犯人の関連性については不明ですが、同一犯である可能性が高いとする声も多いです。

二次被害

この事件の悲しい点は、その後被害者家族をターゲットとした詐欺や名誉棄損事件が次々と発生しています。

・詐欺事件

事件発生から1年以上が経過した2004年7月には、女児の家族の元に「女児の行方を知っている。会うには金が必要だ」として、2004年から2008年にかけておよそ7000万円をだまし取ったとして、大阪府堺市に住む男女2名が詐欺容疑で逮捕されました。

この男女は約470回にわたり金銭をせしめており、「女児の捜索費」「救出費用」「救出後の生活費」として金銭をせしめ、2009年5月22日には、共犯である女に対して、大阪地裁は懲役2年執行猶予4年の判決が言い渡され、同年10月5日には、主犯の男に対して懲役9年を言い渡しました。

・名誉毀損事件

2010年11月12日には、インターネットの巨大掲示板『2ちゃんねるに』において、失踪した女児に関する書き込に『女児を誘拐、殺害後、富士の樹海に捨てた』などとして、誘拐事件の被害者に対する中傷文が書き込まれる事件が発生しました。

この書き込みを確認した警察は、書き込みを行った人物を名誉毀損罪の方針で捜査し、2011年2月4日に、京都市中京区在住の男性（29）を名誉毀損の疑いで逮捕しました。

まとめ

失踪事件というものは、被害者のみならず、その家族にまでも被害が及ぶ事があります。そうした可能性は当然家族もわかっているのですが、娘や息子を探すため、あえて誹謗中傷の恐れがある公の場に出たり、騙されている可能性があるとしても、家族が助かるのならとお金を払ってしまうのです。

こうした家族の思いが無駄にしないためにも、一人でも多くの行方不明者を見つける事が探偵業界に求められる責務だと思われます。