高齢者被害は周囲の人間の見守りが大切

悪徳商法による被害を受けて探偵社に電話を掛けてくる人は、実は被害を受けた人間よりもその家族や親せきである場合が多いです。

また、そうした事例は探偵社だけではありません。
全国から多くの悪質業者の相談が集まる国民生活センターも同様に、被害者からの直接の相談よりも、被害者家族からの相談が大変多いそうです。

これは、悪質商法に騙されている実態を家族が気がついて相談に至るケースが多いことを窺わせる内容ですが、全ての家族が高齢者の被害に気がつける訳でも無いのです。

周囲の人間の配慮で重要

悪徳商法の被害に遭っている高齢者は、悪徳商法の被害に遭っている事実に気がつかなかったり、その被害に遭ったことを恥に感じて誰にも言いだせない場合があります。

こんな時には、やはり周囲の人間が高齢者の態度や生活をよくよく確認していなければなりません。

そのため、実は被害にいち早く気が付くのは高齢者の家族だけではなく、高齢者の介護にあたっているヘルパーなどが生活態度の異変を察知し、その事実を家族に伝えたことで早期発見につながったという事例も多いのです。

一緒に暮らしているからといって安心しない

高齢者と一緒に暮らしているから、その高齢者が悪徳商法の被害に合わないという考えは大変甘いです。

実際には、そうして悪徳商法の被害に遭わないと思い込んでいる高齢者こそ警戒心が薄いため、悪質業者からは良いターゲットとみられがちです。

この場合、家族がいない日中などを狙って悪質業者が家に上がり込む例が多く、中には自宅に周辺の老人を集めて布団を売っていた営業マンを家族が見つけたという例も多いです。

独り暮らしをしている老人は？

独り暮らしをしている高齢者の状態を家族が常に確認することは難しいです。

しかし、そのような高齢者であっても、最近は見守れる環境も整ってきているため、周辺の人間からの相談や報告も多くなってきています。

例えば、独居老人にとってもっとも身近な人間は毎日家に訪れるヘルパーの存在です。

ヘルパーは常に高齢者の買い物を代理したり、家の変化を常に見ているので、室内に見慣れない商品があったり、お金に困っている様子がわかればすぐに事実を確認してくれるでしょう。

また、周辺の高齢者の生活を見守る民生委員の存在も頼りになります。

もしも一人で暮らしている高齢者が悪徳商法の被害にあっていないかを確認したければ、ヘルパーさんや民生委員、または周辺住民などに生活の変化がないかどうかを見守ってもらうようお願いすると良いでしょう。

まとめ

高齢者を狙う悪質な業者はその被害をいまだ拡大しています。

また、その被害が拡大してしまう原因の一旦として、高齢者の見守り体制ができていないことや、独居老人の数が増えてしまっている現実も確実に影響しているでしょう。

また、家族が同居している場合でも油断はできません。家をあけている間を狙って入り込む悪質業者は、家族と住む老人が独居老人よりも警戒心が薄い事を知っているからです。

こうした被害を未然に防ぐことは難しいですが、被害がはじまってからなるべく早くその被害を食い止めることは必ずできます。

家族が普段から高齢者を気にかける姿勢を保ち、独居老人の生活を常に監視することは難しいことかもしれませんが、コミュニケーションを頻繁に取ることは犯罪被害防止にもなるほか、高齢者がもしも被害を受けた時に、その事実を離しやすい環境を整える効果もあります。