悪徳商法はお金の無い人ほど引っ掛かりやすい？

昨今は探偵業界でも相談数が上がりはじめている悪徳商法被害ですが、そうした相談をしてくる方は、一般的なイメージとは少し違う人達ばかりです。

世間一般で詐欺や悪質業者に狙われる人間は、資産に余裕があり、多額の貯金を蓄えている人ほど良いカモだと言われています。

しかし、実際に現実で詐欺の被害に合う人は年金暮らしの老人や、生活保護受給者や多重債務者などの貧困者ばかりです。

なぜこのような事態になっているかというと、実は詐欺の手口と、その手口にかかりやすい人間の種類が大きく関係しているのです。

生活の不安が大きいほど詐欺にかかりやすい

悪質業者が高齢者を狙う手口の大半は、多くの人が抱えている不安や恐怖をにつけこむ手法です。

そのため、高齢者を狙う場合、悪質業者はまず高齢者の物欲を満たす様なものよりも、これが無くなったら困るという不安や恐怖を埋めるような商品やサービスを作るのです。

例えば、定年となり会社を退職した高齢者は、年金だけでは自分の生活が立ち行かないことを知っているので、資産運用をしなくては生活が安定しないという恐怖感があります。

そこに『かならず儲かる株がある』といって話を持ちかけると、老後の不安を解消したいがあまり、その話が嘘かホントかも確かめずに食いついてしまうのです。

また、高齢者は自分自身の健康がどんどんと衰えていくのを目の当たりにするので、死への恐怖は他の年齢の人間よりも遥かに高いです。

そのため、『この健康書品を食べれば寿命が延びる』等と言って、特定医薬品にもなっていない健康食品を進められると、その食品を食べれば寿命がのびるという安心感を得たいがあまり、つい商品を購入してしまいます。

裕福な人間は詐欺にかかりにくい？

このように、高齢者を狙う悪質業者は、健康、金銭などに関わる恐怖心や不安感を埋めれるような商品やサービスを提供することによって利益を得ていますが、こうした恐怖や不安を感じているのは、生活や自身の健康に安定のない中流層から低所得者層の高齢者がもっとも多いです。

逆に、富裕層の高齢者は金銭的な不安もなく、健康的問題も適切な医療サービスを受けられることで不安を解消できているケースが多い為、低所得者層よりも悪質商法が通用しない相手なのです。

その結果、悪質業者は低所得者層から金銭を捲き上げるような行為ばかりを行い、多くの人々の老後を破壊し、余生をめちゃくちゃにするという最悪の被害を生み出しています。

お金がないのに何故詐欺が出来る？

しかし、いくら低所得者のほうが狙いやすからといって、そもそもお金が無ければ悪徳業者も収入が得られないはずです。

ところが、悪質業者にお金がないというのは通用しません。

手元にお金がないといって悪質業者を断ろうとしても、「銀行に行けばあるのではないか」といってそのまま一緒にＡＴＭに連れていかれたり、その場でローンを組まされて商品を購入させられるケースも珍しくありません。

また、多重債務者である場合には、再び金融機関から借金をするよう強要されたりするため、いくらお金がないといっても、そのむしり取り方には色々な方法が存在しているのです。

まとめ

お金がないから、うちは裕福ではないからといって悪質業者に出会わないというのはただの幻想であり、むしろそうした家庭ほど悪質業者に狙われるリスクが高まります。

また、実際に狙われた場合にも、多くの生活の不安につけこまれて契約をさせられたり、お金がなくともローンを組まされたり借金を背負わされるケースも少なくないのです。