高槻市事件から考える行方不明問題

高槻市で発生した寝屋川市在住の平田奈津美さん（13歳）殺害事件では、家族からの警察に平田さんが行方不明届けが出されていました。

つまり高槻市の少女殺害事件は元をただせば行方不明事件ということで、探偵業界でもこの事件に注目せざるを得ない部分が多いのです。

そこで、今回は探偵の目線からこの事件を眺めた時に気が付く、現在の未成年者の行方不明者の実情と問題について解説していきます。

高槻市失踪事件の問題

この事件で探偵業界が注目しているのは行方不明の届出が出された日時です。

平田さんが行方不明となったのは12日の夜。
それから、殺害されたのは13日の午後7時頃。
そして、警察に行方不明の届出が出されたのが14日日の夜でした。

つまり、行方不明となってからほぼ24時間以上が経過して初めて行方不明の届出が出されているのです。

こんな事は現段階ではあまり言いたくはありませんが、やはり中学生が行方不明となって24時間後に行方不明の届出が出されるというのはあまりにも遅いといわざるをえません。

これが素行不良の高校生であれば24時間後も当たり前かもしれませんが、子供はまだ中学1年生。どのような状態でもまったく連絡が取れない状態で24時間後に行方不明の届出が出されるのはおかしいです。

さらに行方不明となった平田さん、そして同じく行方が解らなくなっている星野君の両名は共にスマートフォンを所持しているため、連絡が付くか無くなった時点で失踪を疑うのが当たり前でしょう。

行方不明の届出が遅れた理由

今回平田さんの行方不明の届出が遅れた理由として、両親は平田さんの素行不良を原因として上げています。

両親の証言によれば、平田さんは中学1年生にしてすでに外泊を繰り返す事が多く、テントを友人らとお金を出し合って購入するほどであったといいます。

それにしても、なぜそこまでして平田さんは外泊を繰り返す必要があるのか？
これが好奇心旺盛な男子中学生ならわかるのだが、女子中学生がテントまで購入して外泊を繰り返す理由がわかりません。

しかし、平田さん一家の友人が以下の様な証言をしていたのです。

「（平田さんの）母親は子供達に対して怒鳴り散らす事が多かった。それが嫌だったのか、子供（平田さんと思われる）が家を飛び出すことが多く、そのたびに玄関口から母親が『行くなら早くいけ！！』と言い放っていた。子供が泣きながら家から飛び出してきて歩いていた姿も見た事がある」

『あの家は借家で、家賃や生活費も母親が一人で支えている。朝から深夜までとにかく働きづめ。子供は4人兄弟で、平田さんはその末っ子だ』

『小学校の頃は学校でトラブルがあるとすぐに母親が抗議の電話をしていた。子供同士の喧嘩であろうととにかく学校に抗議を入れるので有名で、平田さんもそんな母親に対して良い感情は抱いていなかった』

これらの証言から、平田さんが幼い頃から家庭と学校の両方でトラブルを抱え続けてきた結果、テントを購入してまで外泊を繰り返す様になった様子が窺えます。

しかし、かといって母親を非難するのもよくありません。
父親の詳細については不明ですが、子供4人を支えるために働き尽くめだった母親の苦労を思えば、攻撃的な性格になることには同情を禁じ得ません。

ただ、こうした行動を繰り返せば、結果的には周囲から人を遠ざけ、子供までも遠ざける結果となってしまい、結果的に行方不明の届け出が遅れたという事なのでしょう。

理不尽な負の連鎖とはこうして回っていくのでしょう。

しかし、こうした出来事を仕方が無いと片付けてはいけません。
もしも自分の子供が行方不明になった時には、とにかく1秒でも早く警察に届け出てほしいものです。