悪質業者は好青年？見た目ではわからない裏の顔

悪質業者の人間といえば、誰もが見るからに悪そうで恐ろしい男性を想像するかもしれませんが、実際にはそんな人間が詐欺を働くことは殆どありません。

なぜなら、悪質商法は相手を騙して信用させることが商売の鍵なのですから、見た目から『悪質業者です!』と名乗ってしまっている容姿の人間ではとても商売にはならないのです。

では、悪質業者は一体どのような姿で業務を行っているのでしょうか？

消費者センターのデータ

全国消費者センターには日々悪質業者に騙された人達から相談の電話が寄せられていますが、その相談内容からは現れる加害者像は以下のようなものとなります。

・一見どこにでもいそうなサラリーマン。
・人当たりの良い高青年風、もしくはスーツ姿の若い女性。
・物腰は柔らかく、礼儀正しい印象
・清潔感のある身なりで、誠実そうな雰囲気。

どうでしょう？こうした人間を見た時、貴方はその容姿からその人物が悪質業者の人間かどうか見分けることができますか？

恐らく、大半の人がこうした人物を本当に誠実な営業マンか、悪質業者の営業マンかまったく気が付かないかもしれません。

また、こうした営業を行う人間は実際に営業の人間として働いていた経緯がある事もあるため、第一印象でその人物をどちら側の人間かどうかを見分ける事は出来ないでしょう。

信用を勝ちえようとするのは、誠実な会社も悪質な会社も同じ

悪質商法に限らず、商売を行う人間はかならず相手に信用されやすい仕草や容姿、喋り方を心得ているものです。

そのため、話しをした所で誰もその人物が悪質商法を行う人間かどうかもわかりません。礼儀正しい挨拶をし、老人とは気軽に世間話をし、子供には膝をついて話をする。

こうした行動を悪質業者はある意味通常の営業マンよりも良く心得ているため、良い人の演技に関しては悪質業者の方が上だという見方もできる程です。

また、かつて障害者をターゲットにした大規模な投資詐欺が行われた時、なんと悪質業者の人間は手話を完璧にマスターし、聴覚障害者たちを巧みに騙していたといいます。

普通の場合、投資会社の人間が手話をマスターしている訳もなく、聴覚障害者たちにとってはコミュニケーションのとりにくい不誠実な相手だったかもしれません。

しかし、悪質業者は社員に手話でのコミュニケーション技能をマスターさせていたため、聴覚障害者たちの信用を次々と勝ち取っていきました。

このように、通常では考えられないような努力やサービスまで行って悪質な商品を売り込む人間たちだけに、騙される方はまったく油断が出来ないのです。

ホームページは注意が必要

最近では会社の規模や信用性を図るためにホームページを見る事が多くなりましたが、もはやホームページを見たところで悪質業者かどうかが解るような時代はとっくに過ぎ去ってしまいました。

なぜなら、悪質業者側も自分達がまっとうな業者であると騙すためにはホームページの規模や質が重要であることにすでに気が付いてしまっているため、もはや一般企業よりもお金のかかったホームページを使っている所まである始末です。

また、ホームページの中でも企業のレベルを図りやすい箇所である出資金や会社所在地のらんもしっかりと作り込まれており、架空の資本金数や住所を記載しているところもあります。

さらに、大手企業の子会社のように見せかけるため、会社の社名からロゴ、ホームページのデザインにいたるまで、全て大手企業の真似をして作り上げられた巧妙な悪質業者のホームページも存在しているのですから、油断も隙もあったものではありません。

まとめ

悪質業者は見た目で判断することは出来ませんし、ホームページをチェックしたぐらいでは簡単に尻尾を出しません。

突然家に訪問してきたり電話をかけてくる営業マンには常に警戒心をもって対応するよう心がけましょう。