業界用語解説『面取り』って何？

『面取り』という言葉自体、初めて聞く人も居るでしょうが、面取りは探偵にとってとても大切な作業であるだけでなく、尾行、張り込みを行う全ての職種の人間とって、面取り作業は尾行、張り込みに次ぐ第三の技術として頻繁に訓練を行っています。

では、この謎の言葉『面取り』とはどんな技術なのでしょうか？

『面取り』とは、対象者の顔を確認する技術の事

『面取り』とは、その文字が示す通り『面』(つら)を取る(確認する)作業、もしくはその技術を意味しています。

主に建物から出てくる対象者の顔を確認し、本人かどうかを判断する重要な技術なのですが、もしも面取りに失敗すれば、幾ら優れた調査力をもっている探偵社でも、その調査は全て失敗となってしまいます。

面取りの方法

面取りは基本的には目視で行いますが、状況によって様々な基材が使用されます。

代表的なものは、古くから使われている双眼鏡や単眼鏡で、バッテリーの消費率を心配する必要が無く、小型デコンパクトなため、現在でも多くの探偵が面取りの為に使用しています。

面取りの難しさ

面取りは主に張り込みから尾行に繋げるために行われるため、基本的には張り込み中に行われます。

(例)
勤務先から退勤する対象者
↓
張り込み
↓
対象者が建物から出てきた事を確認する←『面取り』

こうして図に表してみると、大変簡単な事に思われるかもしれません。

しかし、これが社員数2000名規模の会社で、定時になったとたん、対象者と同じようなスーツ姿のサラリーマンが正面玄関から大量に溢れだしてきたとしたらどうでしょう？

さらに、そのサラリーマンが身長175?の中肉中背の短髪の中年男性だとしたら？

恐らく、面取りの技術も無くこの人物を見つけ出す事は相当難しいしょう。

面取りの技術とは？

面取りの技術は、いかに対象者の顔を覚え、それと合致した人物を見つけ出せるかが鍵になります。

この時重要なのが、『顔のパーツを覚える』という事。
覚えるべき顔のパーツは以下の3つになります。

・目

目形や大きさ、配置を覚える事は面取りでは欠かせない作業です。

なぜなら、対象者によってはマスクをしていたりマフラーなどをして顔の下半分を隠してる人物が多いからです。

・鼻

花の形は、年齢による変化が少なく、化粧などをしても印象が変わらないため、女性の対象者を見分けるのに大変有効です。

また、鼻の形やサイズは体系の変化に関係が無いので、面取り用の写真が10年以上前の物だったとしても変わらない部分です。

・耳

耳の形を正確に覚える、相手を見分ける事は面取りの中でもかなりレベルの高い作業になります。

しかし、耳の形は化粧や年齢や体形変化による影響を受けないばかりか、美容整形による影響もまったく受けない場所であるため、耳で相手を見分ける事ができれば、それは最高の面取り技術を得た事になります。

面取りの技術の進化

近年では、顔認識システムの普及率が高まり、ビデオカメラやアプリなどで、人間の顔をカメラが捉える事ができるようになりました。

また、防犯の分野においては、監視カメラの映像をリアルタイムで分析し、指名手配犯の顔を認識するシステムも実用化されています。

今後、習得に時間を要する高度な面取り技術に対して、誰でも使用できるアプリケーションがその補助をする日が近いとされています。

まとめ

面取りのは探偵にとって大切な作業であり、それを行う事は大変難しい事です。

しかし、時代の変化によって、今後は人間の目とテクノロジーが一体化した新たな面取り手法が確立される日が来るため、面取りの精度は日に日に向上していくでしょう。