探し出すのは人か？心か？行方不明者捜索録『不良少女を探せ！』

少年少女の家出と聞いて、『不真面目な子供』と思う人がいるでしょう。

たしかに、家出をする子供はいわゆる『不良』と言われる素行不良者であったり、学校にまともに行っていなかったり、不登校気味の子供もいます。

しかし、こうした子供達は、果たして行方不明になって当然なのでしょうか？
今回ご紹介するのは、そのような疑問を覚えずにはいられない、いたたまれない失踪事件です。

『不良少女を探し出せ』

その少女を探して欲しいと依頼してきたのは、その少女の母親でした。

その時、すでに失踪から3週間が経っており、捜索を依頼するにはすでに時間が経ち過ぎていました。

少女は17歳の高校生。依頼者の説明では、どうやらその少女は日常的に外泊を繰り返しており、2、3日は家に戻らないのは当たり前だったとか。

そのせいで、母親は今回もどうせひょっこり戻ってくるだろうと思っていたそうです。

しかし、5日たっても家に戻らず、連絡も取れない事から警察に相談。携帯電話も繋がらず、友人たちも何処にいったのかまったく解りませんでした。

警察も一応の捜索活動は行ったようですが、素行不良少女の家出という事で処理されてしまい、3週間目になってようやく探偵社に依頼が回ってきたのです。

捜索開始

友人への聞き込みの結果、少女は繁華街の出入りが多く、未成年ながら多くの飲食店などに出入りしていた事がわかりました。

また、ホスト通いのお金は、年齢を偽り風俗店で勤務して稼いでいた事もわかっため、繁華街の風俗店を中心に、聞き込みをして回りました。

その結果、失踪直前に少女が働いていた風俗店が判明。
彼女を知る店長の話では、失踪したその日に仕事のメールが入って以来、店側もまったくの音信不通状態でした。

飲食店での聞き込みで、少女の交友関係者が次々と判明しましたが、失踪当日から少女の姿を見たものは誰も見つからなかったのです。

消えた痕跡

多くの聞き込みの結果、失踪直前の少女の状況も次第にはっきりとしてきました。

その日、少女は友人と会う予定だったものの、それがキャンセルされ、自宅から歩いて繁華街方面へと歩いていました。

その最中に、別の友人に連絡したものの、その友人も忙しく遊びを断られたため、今度は風俗店に連絡し、仕事の予約を入れようとメールをしていました。

しかし、そのメールを最後に、少女は忽然と姿を消しました。
同時に、警察が取り寄せた携帯電話の通信履歴も同時刻から消失しており、携帯の電源も切れているようでした。

この事から、少女は単なる家出ではなく、突発的になんらかの事故か事件に巻き込まれた可能性があるとして、警察に特異失踪者届けを出し、探偵社も範囲を広げて捜索を続けました。

少女の発見

その後、少女が発見されたのは、繁華街とは程遠い郊外の山中でした。

少女の遺体は崖下で発見され、死因は事故死。遺体の状況から車で跳ねられた痕跡が見つかったため、ひき逃げの線で捜査が行われましたが、未だその事件は解決に至っていません。

まとめ

不良少年・少女だからといって、失踪して良い子供は一人としていません。
また、その結果死んでしまうような事だけは、何としても避けなければなりません。

もしも貴方の子供が、どんなに素行の悪かったとしても、行方が解らなくなった時には、必ず心配だけはしてあげてください。
でないと、その子供が更生する姿すら二度と見る事はなくなってしまうでしょう。