無職生活が２年ほど続き、定期的にハローワークに通っていました。自分は、うつ病を持っており、また人見知りで人と話すことが苦手なので、勤めてきた仕事は工場系が多いです。ハローワークに求人が出ていましたので、応募。面接後、働き始めました。

仕事内容は、親会社から運んできた車に取り付けるゴムホース（黄色いプラスチックの箱に数個～数百個入っている）に、取り付けるときの目印となるマークを、手作業でゴムホースに押していくことです。覚えれば、誰でもできる簡単な仕事です。自分の作業用机を一つ、あてがわれますので、そこで作業をします。
毎日定期的に納品しなければならない物もあれば、数ヶ月に一度、年に数回だけの物など、色々あります。
物によっては一つのゴムホースに、マークを数箇所押し（混同しないよう、一箇所は赤、もう一箇所は緑、もう一箇所は白、と押す場所によって分ける）、その後、プラスチック部品を手で、はめ込んで取り付け、といった時間のかかるものもあります。それは１０本仕上げるのに、２０分前後かかりました。
出してはいけないのが、『クレーム』と呼ばれるものです。
これはマークを押さなければならない場所に、マークが押していない、もしくは別の場所にマークが押されている、といった、こちら側の作業間違いのことです。クレームを出してしまうと、（車にゴムホースを取り付ける側の）ラインが止まり、その後自分が勤めていた会社に連絡が来ます。その後、親会社の人が来て、自分の作業風景をジロジロと小一時間ぐらい見られたり、上司の人にも作業手順や作業風景を見られたりします。クレーム一回で会社に数百万円の損失が出るそうです。

長い間無職だったので、定期的な収入がある、それがうれしかったです。また、どうしても今日仕上げなけらばならない、急ぎの品を残業して、やり遂げた時には達成感が、ありました。
ある程度の期間勤めると、信頼されるようになり新しく入った人に、簡単な一日の流れを説明したり、仕事をスムーズにするためのコツを説明したりできるようになります。
自分は、ある品番の担当みたいな位置づけになり、他の人ができない仕事を任されているという、ちょっと誇らしげな気持ちを持つこと、ができました。

２０１３年ごろから、親会社のトップ様が、『年に１０００万台造る』という、目標を打ち立ててくださいました。そのお陰で、時給７００円台後半のアルバイトという立場は何も変わらないのに、仕事の量が、ものすごく増えました。最初は土曜日に休日出勤したりして対応していましてが、人を増やしても、休日出勤を当たり前にしても、さばける量ではありませんでした。
２００１５年ごろから持病の、うつ病が悪化しました。強い肉体疲労感が、休んでも取れなくなりました。辞める前のゴールデンウィークが８日間ほど、あったのを覚えています。できるだけ寝て過ごしましたが、やはり８日間の休みでは、肉体疲労感は完全には取れません。仕事自体は嫌いではありませんでしたが、やむなく離職しました。
トップの自動車メーカー様は、『純利益１兆円突破』とか、景気の良さそうなニュースが流れておりましたが、私の時給は一円も上がることはありませんでした。これが、この国の現実でございます。