就職活動中、当時在籍していた大学の就職相談課に、こちらの会社の求人情報が来ていました。卒業後の就職先に悩んでおり、自身が教育学を専攻していたことと、自宅から職場への距離の近さに魅かれ、応募を決めました。

アルバイトの話は何度か聞いたことがありました。塾講師で、一コマ60分のお仕事でした。一コマごとの単価が高く、学生の間では比較的人気の高い業務でした。
さて、私は大学を卒業し正社員としてこの職場に入社したのですが、まず気になったのが、休みのなさでした。年間休日日数や週休2日と聞いていたのですが、実際に働くと週休1日のみでした。また残業はない、あっても１日1時間程度と聞いていたのですが、実際は毎日3時間から4時間の残業がありました。しかも残業代もつかず、毎日サービス残業でした。勤務時間も13時から22時のはずだったのですが、現実は12時から翌3時か4時くらいまで勤務しておりました。家に持ち帰る仕事もあり、こちらで就職している間、自分の時間はほとんどありませんでした。
給与に関しても、話が違いました。最初のお給料日、入社前に提示されていた額より3万円も少ない額が振り込まれました(研修期間などの話はなかったです)。私は一人暮らしをしていたのでその額では生活できず、採用担当の方に直談判したところ、即日残りの給料が支払われました。おそらくこちらから言わなければ、ずっと少ないお給料のままだったのかと思います。
また、入社してから気づきましたが、この会社の離職率は異様に高かったと思います。事実私が在籍していたたった1年間で、7人が退職しました…。
今振り返ると、いわゆるブラック企業だったのだと思います…。

塾講師として、中学生・高校生に普段は個別指導、長期休暇の間は集団指導も行っておりました。
生徒のわからない問題にいっしょに取り組み、生徒が問題を理解し『わかった！』と笑顔になる瞬間が、私にとってとても幸せでした。
テストや入試対策として、過去に出た問題から出題傾向を分析、生徒に教えていたのですが、分析が当たり教えた問題が出たときに、生徒に感謝されるのも嬉しかったです。
また入試が終わったとき、生徒とその親御さんがお礼を言いに来てくださったことも幸せでした。

もっとも改善してほしかったところは、やはり福利厚生面でした。
休みがなく、入試が近づく頃には週休1日さえ返上で仕事をさせられました。39度の熱が出たときも休ませてもらえず、点滴を打ちマスクをした状態で出勤させられました。
休みがない分せめて給料が良ければまだ続けられたのですが、一般の職場より少ない給料で、しかもボーナスなし(私が入った年からなくなったそうです)、残業代なしでした。
入社時は新卒だったため、他の職場という比較対象がなく、自分の職場がおかしいということにも気づけませんでした。入社し1年近く経つころに、ようやく気づくことができ辞められたのですが…。
社員を使い捨ての道具と考えているのが見て取れて、もう少し早く辞めておけばよかったなと思いました。