店頭に貼り出されていたアルバイト募集の貼り紙を見たのがきっかけ。
通っていた学校の近くで場所的に都合がよく、
授業後の夕方～夜のシフトに入れそうだったので時間的にもちょうど良かったので即電話で応募。
面接では「長髪は外食産業としてはちょっと...」と渋られたが、
即座に「切ってきます」と答えたら、やる気があると思われたのか採用された。

時給は相場通りで可もなく不可もなく。
賄いはあるが、無料ではない。原価分プラスαは取られていたので、なにか釈然としなかった。
変なサービス残業やそれを要求するようなおかしな雰囲気は無かった。
調理場担当だったが、料理の技術というより、電子レンジを駆使した様々な時間短縮法が個人的に今でも役に立っている。
あと、大規模イベント会場が近くにあったので
コンサート等のあった日の夜は、団体客が次々来店してきて注文をさばくのが大変だった。
もっとも、そういったスケジュールは店側も当然把握しているので、
近隣店舗からのヘルプ人員の追加や食材も多めに用意しておく訳だが、
某ビジュアル系人気バンドのコンサートの日に、その想定を超えてしまったことがある。
コンサート終了時間から少しして、一目でそれとわかるファンの団体客が複数グループ入店。
会場で激しく動いて余程つかれていたのか、大量の注文が次々に舞い込んできた。
しかもすべてのメニューが複数ずつ。ものによっては二桁注文なんてものも。
そのため、米などの一部食材が底をついてしまい、近隣店舗に食材を分けてくれるよう連絡。
が、その食材が届くまでの急場をしのぐ為に、近くの食品スーパーに買いに行って補充せざるを得なかった。

よくある「季節の新メニュー」ものだが、あれはまず自分の賄いで練習代わりに作らされる。
他に食べたいものがあろうがおかまいなしである。
店頭に出る頃にはずうっと作って食べて作って食べて...、の後なので正直うんざりしているのだが、
やはりそのメニューの評判がいいとなると、練習した甲斐があったなあ、と思えた。
もちろん、評判がイマイチなメニューもあったし、そういったものは練習段階でなんとなく
「これ受けないんじゃないか？」という雰囲気になっていたので不思議である。

上記でも少し触れているが、賄いが無料だったらもっと良かったと思う。
仮に有料でも、「原価プラスα」は従業員からも利益を少しでも取ろうとしている意図が見えているような気がしていて、
微妙に士気に影を落としていたと思う。
それ以外は、店長を含め、スタッフ間の人間関係にも特に問題は無く働けたので、今思えば有難かった。
おなじ外食産業でも、店内の人間関係のあれこれで、仕事の作業量云々よりも気にしなくてはならない余計なことがある嫌な事例を
その後、友人たちからいろいろ聞いたので、あとから思い知った。
また、外食産業の内幕が垣間見えたので、その後の店を選ぶ際の物の見方が多少なりとも磨かれたのも、いい経験を積んだと言えることだと思っている。