私は、ベーグルが大好きで、ベーグルにかかわるような仕事ができればと思っていました。そんな時、ベーグル＆ベーグルエキュート立川店のアルバイトの求人をインターネットで発見し、電話で問い合わせたのがきっかけです。

ベーグル＆ベーグルでは試食販売をよくしていたのですが、覆面調査があることもあり、接客態度に求められるものがかなり高度だったように思います。笑顔で大きな声を出してやっているつもりでも、「目が笑っていない。」「試食のベーグルは一口で食べられるよもっと小さく切って。」などいろいろ指導されました。基本的にはバイトメンバーも社員も含めみんな仲良しで働きやすい職場でしたが、一時厳しい社員がいた時はぎすぎすした雰囲気になってしまったこともありました。最初はレジだけの仕事でしたが、そのうち中でベーグルを成型する仕事も任せられるようになりました。「ベーカー」と呼ばれるその仕事は、ベーグルの仕上がりにダイレクトにかかわってくるので、やりがいを感じる反面、トッピングの量が違う、ベーグルの並べ方が違うといろいろ指導され、プレッシャーに感じる部分もありました。それでも、自分で作ったベーグルが売られていくのをみるのは気持ちよかったです。30パーセントオフの社割もあり、新商品が出るたびに買って食べては感想を言い合ったり、バイトノートに記してみんなで情報を共有するのも楽しかったです。バイトノートはみんながたわいもないことを書いているだけでしたが、いいコミュニケーションツールになっていました。

仕事でやりがいを感じたのは、すごく売れ行きのいい日に大忙しで働いていたときです。こちらの職場では、売れ行きのいい日とそうでない日の差が激しかったのですが、金曜の夕方などはかなり混み、焼きあがったものからすぐに売り切れてしまうようなこともありました。そういうときは大変なのですが、これだけ多くの人が自分たちの作ったベーグルを求めてくれているんだ、と思ってやりがいを感じました。急いでレジ対応をしたり、追加でベーグルを焼いたりしたのもいい思い出です。

こちらのお店では途中で売り上げが落ち込んでしまったのですが、その時にとにかく精神論で乗り切ろうとする姿勢がよくなかったと思います。お客さんが来ていないのに、目の前の本屋で立ち読みしている人もお客さんだから、大きな声を出してと言われたときは正直ひきました。実際、そうやって大きな声を出しても成果はあらわれませんでしたし、中には迷惑そうにしている方もいらっしゃいました。人がいない中試食販売をしたり、大きな声を出すのは正直むなしかったです。結局、こちらのお店は閉店してしまったのですが、精神論に頼らず、もっと商品開発に力を注いだり、どうやったら売れ行きがよくなるか具体的に考えていればこんなことにはならなかったのでは、と思います。