アルバイトは求人サイト(フロムエー・マイナビ)で見つけました。ちょうど夏のお歳暮の配送が多くなる時期だからか、多くの営業所でパート・アルバイトが募集されていました。業務内容が「パソコンを使った簡単な事務作業のみ」とあったため、自分にも出来ると思い応募しました。

営業所の雰囲気はアットホームでした。職種柄ほぼ男性だけが働いている環境でしたが、昨今問題視されているセクハラなども全くありませんでした。職員同士にもギスギスした関係などは見られなかったと記憶しています。
シフトに関しても、自分の都合を優先して調整することができました。早朝、日中、夜間とメインで働く時間帯も分けられているため、学生でも時間を有効に活用できる仕事だと思います。ひと月あたりに勤務して良い最大の時間なども詳細に定められているため、サービス残業などの悪質な労働も強いられません。本社がしっかりしている会社の恩恵だとありがたく思っていました。
しかし一番の失敗点は、応募内容と実際の仕事内容が食い違っていたことです。もともと「パソコンでの事務作業」のバイトとして契約した筈でしたが、実際は荷物の預かりや資材管理といった肉体的な仕事の方が多かったです。時には自分の背丈より大きい荷物を運ぶこともあり、肩や腰にかなり負担がかかりました。パソコンを使用するのはごくわずかな時間でした。基本的に学校の授業後にアルバイトをしていたため、夜遅く帰宅した時には疲れてヘトヘトの状態でした。体力に自信のある人であれば、難なくこなせる仕事なのかもしれません。

受付としてお客さんから配送物を預かったり、営業所留の荷物をお客さんに手渡したりできた点は、単純な事務作業だけでは感じられなかったやりがいだと思います。ある時には数百万円の価値がある高級品、またある時には手作りの食べ物と、受付に託される配送物は本当に様々なものがありました。そして、その配送物を待ち遠しく思っている人が遠く離れた所にいます。「お届け物」を通して、そうした人と人を繋ぐ手伝いができたことに少なからず達成感を覚えました。

受付のやり方をみっちり勉強できる、研修のような機会が欲しかったです。最初は「簡単な事務作業」だけのバイトだと信じきっていたので、バイト数日後にパートさんから「受付にも出てもらう」と言われた時には絶句しました。それも、やり方を覚える機会はパートさんの受付風景を見ることでしか得られません。梱包もサイズ計測も配送料の計算も、全て頭で理解せず見よう見まねで行わざるを得ませんでした。もちろんミスも連発します。人見知りな性格だったため、作業が不慣れなことを少しでもお客さんから強く言われてしまうと、なかなか立ち直れませんでした。お客さんが来ない時間を見計らって練習していましたが、それでも慣れるまで時間がかかりました。
職場の雰囲気はとても良く居心地が良かったので、この点だけもう少し徹底されていれば一層良かったのにと思います。