住宅地図出版のゼンリンでの地図更新に伴う調査の仕事。こちらのパート社員の募集を見たのはフリーペーパーの求人情報誌での募集欄。派遣会社の仕事を契約満了で終了し、さてどうしようと思っていた矢先、求人欄を見て思いだしたのがもう２０年以上前に学生アルバイトとして半年間ほど働いた経験があったこと。経験がある分いいかなと思い、面接に伺いました。

この仕事はまさに足で稼ぐ仕事で、毎日原稿をもとに原稿に書かれている情報と現地の情報に違いがないかを調べていく作業です。その歩数、なんと２０，０００歩から２５，０００歩。半端じゃなく歩きます。アルバイトで以前やった時、あまりに真っ黒に日焼けして皮がむけたりしたのを見られて、時給が１０円アップしたのを思い出してしまいました。
とにかく歩く事が好きでないとできない仕事。でも歩いているからこそ見える光景があってそれを発見できた時にはちょっと得をした気分にもなり、また自分が調査した建物や新たに取得した名称や道路が実際に地図に掲載される。これってまさしく「地図に残る仕事」だと気づきました。そしてそのことがとても誇りに感じたのです。
北部の山間地域を調査した時などは熊が出るかもしれない場所でちょっとした緊張感をもって歩いたり、住宅密集地では細かい家々の情報の変化に神経をとがられて、もうそういった1つ１つがとても楽しかった。こんなに仕事に悦びをもって臨めたのは正社員として20年働いた物流会社以来だなと思いました。
営業所より遠距離の場所での調査では宿泊をして調査に臨みました。仕事が終わってからフリータイムでのスタッフたちとお酒を飲みながらの歓談は楽しかったなぁ。

なんといってもこの仕事しのやりがいは地図に残る仕事であるという事。調査して編集を完了した市町村の新しい地図を見る時の感無量さといったら経験したものでないとわからない充実感を経験できます。
一番難しかったのは新しい道路を、それもいまだ工事中の道路などどういう処理をしたら適切なものになるのか、それを考慮しながら原稿に落としていくのも調査担当のだいご味でもありました。
また、猛暑のなか、聞き込みで住所の確認などを行う際に、「ごくろうさん、何か冷たいジュースがあるから持って行きなよ」なんて言われると気持ちが昂りうれしくなることもしばしば。疲れるけれどがんばろう！とモチベーションをあげていただきました。

もうちょっとこうだったらよかった、と思えることはなんと言っても契約満了が1年だという事。仕事にやりがいを感じていたし、そういう気持ちがあったからこそ、同時にスキルも上げていこうとがんばったものです。一番成熟した時に契約満了となってしまうのは会社としてもちょっともったいないことだと思うのです。会社としては雇用保険のことなどいろいろあるのでしょうけれど。
あとは、せめて時給は4桁であってほしかった。全国規模の会社だから地域差はあるかもしれないけれど、あと少し高くてもいいんじゃない、と思いました。スタッフのみなさん、結構がんばっているのだから。あと30円あげてほしかったなぁ。それと宿泊出張時の手当てももう少し上げてもいいんじゃない。