幼い頃から歯が丈夫で、歯科治療もした事がなく、自分の歯には自信を持っていました。
高校生の時、母の「歯科衛生士は求人がたくさんあるよ」という一言をきっかけに歯科衛生士という仕事に興味を持ち、将来歯科衛生士になり沢山の人な自分のように歯に自信を持ってもらいたいと思いこの職種を選びました。

歯科医院に就職して1ヶ月ほどで先輩が退職され、同期はいたものの不安な毎日を送っていました。
しかし、同期がとても気が合う子で一緒に講習会に参加したり相談し合ったりと徐々に仕事に対して自信を持てるようになりました。
東日本大震災の影響でいわき市にも沢山避難される方がおり、自ずと歯科医院も混み始めました。
予約を取るのも3週間先、「予約して来ているのに待ち時間が長い！」などクレームも沢山ありました。
息つく間もなく患者さんに対応し、震災後は本当に忙しかったことを覚えています。
しかし、そんな中でも患者さんがたまに差し入れしてくれるお菓子をお昼休みにスタッフで食べる事が楽しみでした。
また、スタッフも同年代の子が多く、休憩中は恋バナをしたり、ドラマの話をしたり盛り上がり、仕事場ではありましたが学生の頃に戻ったかのように楽しい場所でもありました。
しかし、院長が一癖ある人だったためスタッフの入れ替えが激しく、新しく人を雇っては辞めていきの繰り返しで、いつまで経っても新人の多い歯科医院だったので患者さんも不安に思っていたのではないかと思います。
私自身も若かったということもあり院長に反発したこともありました。
そのせいか、結婚を機にパートはなるよう言われたため退職することとなり残念でした。

歯科衛生士だったので、主に歯科予防に力を入れていました。
スケーリングと言って歯石除去はとてもやりがいがありました。
歯肉炎の患者さんへの動機付け、歯石を除去することによって爽快感を持っていただき、口腔ケアへの関心を高め、ブラッシング方法を指導し、自宅でもブラッシングを今まで以上に行っていただいたことにより、歯肉炎の改善が見られ私だけではなく、患者さん自身も喜んでいただけた姿を見ると非常にやりがいを感じました。

地域に根付いている歯科医院だったので、患者さんの中にも院長のお気に入りやそうでない人がいました。
院長のお気に入りであれば予約をしていなくても優先的に治療を受けられ、他の患者さんが不快に思っていたと思います。
私たちも意見できるはずもなく、院長の言う通りにしていましたが、やはり不公平さは感じていました。
やはり緊急の場合を除いては「予約優先」ということを守って欲しいと思いました。
また、スタッフの入れ替えが激しかったのも残念でした。
新しい人が入って仕事内容を教えてもすぐに辞めてしまい、また新しい人が入って仕事内容を教える。の繰り返しで、自分の仕事にも支障をきたされていたので、一度雇ったのであれば長く続くよう考えてもらえると良かったのにと思いました。