高校生の頃にバイトを探していました。
いいなぁと思うバイトを見つけても私立で校則が厳しかったり、心配性の家族に許可がもらえずに悩んでいました。
そんな時に祖父がいきつけのお弁当屋さんで募集していることを教えてくれ、お店まで連れて行ってくれたことがきっかけです。

履歴書を準備していたけど、常連さんの孫だからと5分くらい話をしただけで採用されました。
コネて採用していただけたのはラッキーでしたが、高いお金を出して写真を撮ったのに意味なしとなったのは悲しかったです。
仕事内容はレジと梱包がメインで、忙しい時に冷凍の揚げ物を揚げたりする程度でした。
1番最初にレトロすぎる電話の使い方を教わりました。
お客さんがいないときは、入り口にある冷蔵庫のジュースや店長がいれてくれたコーヒーを飲みながら談笑、もちろんジュースは無料。
学校帰りでお腹空いたでしょと言われ、お菓子や揚げ物をいただく日々に体重はあっという間に増加。
天気が悪い日は車で送り迎えまでしていただきました。
友達とバイトの話をすると、いつもあり得ない！や待遇良すぎと言われていました。
大手チェーン店に自分で応募していたら、こんな待遇の中で働くことは出来なかったので祖父に感謝です。
また、高校卒業後の就職先はなんと常連会社でした。
面接時にバイト経験について聞かれ、店名を告げると唐揚げが美味しいお店や店長のキャラが良いなどで話が盛り上がりました。
この話が採用に繋がったかは分かりませんが、印象に残すことが出来たのは間違いありません。

飲食店なので、やりがいはやはり美味しかったとお客さんに言われたことです。週末のお昼時はとにかく忙しくてお茶をしている暇がありませんでした。だけど小さな子供がメニューサンプルを見ながら真剣に悩み、つぎに来たときに美味しかったよと言ってくれたことが忘れられません。今考えると私がレジ担当だから聞くことができた言葉でした。よく考えると調理しているのは私ではなくて店長やパートさん…。梱包しているだけですが作った気になってありがとうと言ってました。

お店が狭くて、すれ違うのがスムーズにいかなかった。
駐車場が2台しか停められなかったから、諦めて帰るお客さんもいたんじゃないかなぁと思います。
電話がレトロすぎて、周りがうるさくても音量を上げられなかった。また、留守番機能がないからお昼時は話し中ばかりで繋がらないと言われたこともありました。
良かった点は店長の寛大さです。
私に対する言動だけでなく、常連さんには何も言わずにご飯大盛りにしたりメニューにないお惣菜を作り渡していたりしました。
そんな店長は自転車で買い出しにも行ってました。
風邪すらひかずに365日元気な店長、ユーモア溢れる店長は社員だけでなくお客さんにも大人気です。
小さくてお世辞にも綺麗だとは言えないお店ですが、ずっと続けていられるのは店長の人柄の良さだと思います。