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債務ノート

民事再生について聞きました!保証人に迷惑はかかる?

民事再生をすると、借金が最大で5分の1程度まで減額されます。

5分の1程度まで減額された借金の行方

例えば、500万円の借金があって、100万円まで減額されたとしましょう。

このとき、支払わなくてよいとされた400万円については、免除されたことになるので、再生計画終了後も支払う義務がなくなります。
しかし、注意が必要となるのが、借金に連帯保証人がついていた場合です。

民事再生で免除されるのは、申し立てをした人の借金だけですので、保証人の借金まで消えて無くなるわけではありません。
前の例で、500万円の借金が連帯保証債務であった場合、免除された400万円については連帯保証人に請求が行くことになります。

連帯保証人に及ぶ返済義務

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通常、借金には期限の利益が付与されているので、約束の期日が来るまでは支払いを待ってもらうことができます。
つまりは、分割払いをする権利があるということです。

この期限の利益は、連帯保証人にも同様に与えられていますが、なんらかの事情で期限の利益が失われた場合、両者共に期限の利益を受けることができなくなります。

期限の利益を喪失する理由については契約書に書かれていますが、一般的には延滞を3ヶ月以上続けた場合、自己破産をした場合などが期限の利益喪失の理由となります。
民事再生の申し立てをすることも、期限の利益を失う理由とされていることが多いので、もしそうなら、連帯保証人に対して一括で請求が行くことになります。

このとき分割払いにしてもらえるように交渉することもできますが、金融機関は分割払いに応じる義務はありませんので、交渉が失敗すれば一括返済をしなければならなくなり、払えなければ保証人も債務整理をすることになりあなたと同じ道を歩ませることになってしまいます。

連帯保証人に迷惑が掛からないようにするための措置

このように、民事再生をすると必ず保証人に迷惑がかかってしまいますので、必ずあらかじめ事情を説明して理解を得ておくことが重要になります。

なお、通常は連帯保証人が主債務者のかわりに借金を弁済した場合、弁済したお金の分を主債務者に対して法定利息をつけて請求できる権利(求償権)が行使できます。

しかし、民事再生をした場合には求償権も失われているのが通常ですので、完全に借金を押し付ける形になってしまいます。
もしあなたが逆の立場であれば、これがどんなに迷惑なことなのかは想像に難しくないでしょう。

民事再生だけでなく、自己破産でも整理する対象を選べませんので、同様のことが起きます。
任意整理の場合には、整理する対象を自由に選べますので、連帯保証債務だけを対象から外すこともできます。

任意整理で解決できるなら、そちらの方法を選んだほうがトラブルを避けられるでしょう。

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