メールを設定する際に見かける「POP3」と「IMAP」の違いと「SMTP」とは?
- 2016.10.20
- 技術コラム
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パソコンやスマートフォンなどでメールアカウントを設定する時によく「POP3」と「IMAP」という文字を見かけます。当サイトでも独自ドメインのメールアカウント設定の解説などで何度か触れていますが、意外にこの2つの違いについて正しく理解されている方が少ないようです。
今回は、「POP3」と「IMAP」とは何か、どういった違いがあるのかを解説していきます。
POP3はメールサーバーからメールソフトに転送するプロトコル
POP3サーバーとは、メールサーバーから我々が普段使用しているパソコンやスマートフォンで使用しているメールソフトまで、メールを受信する際に決められたプロトコル(通信規約)の1つです。
「POP」とは、「PostOfficeProtocol」の略で、通常の手紙は、郵便局から郵便屋さんが各家庭に配達をしますが、それと同様に、メールサーバーから各パソコンやスマートフォンで利用しているメールソフトの受信ボックスに転送されます。POP3の「3」とはVersion3のことで、Version1~2は現在では殆ど使われることはありません。
メールを送った際のデータはパソコンなどの端末から端末に直接届けられていると思っている方が多いですが、実はメールを管理しているメールサーバーで管理しています。自宅などで契約しているインターネットサービスプロバイダ(ISP)のサーバーに契約者毎にメールを管理できるスペースが設けられています。
そのため、我々が普段使用しているパソコン自体はサーバーにメールが来てもそれを知る由はありません。そのため、メールソフトが定期的に新着メールが届いているかをサーバーに確認しにいきます。サーバーに新着メールが届いていれば、自動的にそのメールをパソコンのメールソフトにある受信ボックスに届けてくれます。
パソコン側でPOP3を使って受信したメールは、基本的にはサーバーから削除されます。そのため、複数の端末で同一のメールを管理したい場合は不向きなプロトコルです。
メールソフトによっては、POP3設定時にメールのコピーをサーバーに残す設定はできますが、複数の端末で同じメールを見た場合、既に既読にしたメールが、別のパソコンで見た場合、未読としてメールが受信ボックスに届くことになるなどメール管理が複雑となってしまうデメリットがあります。
IMAPはメールサーバー主体でメールを管理するプロトコル
IMAPとは、「Internet Message Access Protocol」の略で、メールサーバー上にあるメールを管理するためのプロトコルです。2016年現在では、IMAPのバージョンは「4」が使われています。
先程開設したPOP3とは異なり、サーバーからメールがパソコンのメールボックスに転送されて削除される方式とはことなり、サーバーに届いたメールは削除されることはなく、メールソフトからサーバーに届いているメールを必要に応じて閲覧する仕組みです。
そのため、メールソフトでIMAP方式で設定した場合、メールの管理はサーバー主体となり、未読や既読などの閲覧状態やフォルダの作成や削除を行った場合、メールサーバーでも同様の状態や操作が反映されます。
サーバー主体であるため、複数のパソコンやスマートフォンで同じメールアカウントを管理したい場合に適している方式と言えます。例えば、自宅のパソコンとスマートフォンで同一のメールアカウントをIMAP方式で設定していた場合、自宅で確認して既読にしたメールは、後日スマートフォンで確認した場合も既読として表示されるなど、複数の端末間での管理が容易になります。
現在、パソコンだけではなくスマートフォンなどマルチデバイスがあたり前となっており、同一のメールアカウントを複数の端末で管理したいという需要が増えており、プロバイダ各社もIMAPでの接続を許可することも増えています。
SMTPはメール送信時に使われるプロトコル
先程のPOP3やIMAPは受信する際のプロトコルに対して、SMTPはメールを送信するときのプロトコルです。
メールを送信する時に、メールソフトからメールサーバーに送信依頼を行う時やメールサーバーから相手先のメールサーバーへ転送する際に使われます。
SMTPは、1980年から長きに渡り使用し続けられているプロトコルですが、当初は利用者認証や暗号化、送信先のドメインチェックなどセキュリティに脆弱性があったため、何度か改良を重ね現在に至っています。
SMTPはポート番号として「25」を使うのが一般的ですが最近では「587」を使うことが増えています。ポート番号とは2016年6月21日に公開した「ポート番号とは何か?知っておきたい3つのポイント」で解説したとおり、「扉」に該当する役割を果たすものです。
メールソフトからメールサーバーに対して送信依頼をする時とご自身のメールサーバから送信先のメールサーバーに転送するときと同じポート番号は「25」で同一となっており、暗号化対策や迷惑メール対策などのセキュリティを向上させる上で不都合があることから、現在はメールソフトがメールサーバーに対して送信依頼を行う時にポート番号「587」が利用されるようになりました。
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